コラム

「烏蘇」が「鳥蘇」ビールに変わった結果、賠償金208万人民元

 「烏蘇」(カラスの「烏」)ビールは中国では非常に有名なビール会社である。その知名度に便乗しようとする「山東麦迪ビール有限会社」は、それに似ている「鳥蘇」(とりの「鳥」)をビールに使用した。それに対し、本物の新疆烏蘇ビール有限責任会社および関連会社は、鳥蘇ビール(南京)有限会社、山東麦迪ビール有限会社などの一連の関連会社に対して商標権侵害及び不正競争紛争の裁判を提出し、近日審決された。
 
 本件審決の決定書において、権利侵害で訴えられた「鳥蘇」ビールに使用されたロゴと原告の関連登録商標を比較すると、両者は非常に類似しており、消費者に混同や誤認を招きやすく、商標権侵害になると判断された。
 
 具体的には、「鳥蘇」ビールの包装と原告の赤い缶の烏蘇ビールを比較してみると、両者は細かい部分に少し違いがあるが、いずれも赤色を主要な包装色と使用しいる。さらに商標の使用方式、商品名、商品の形、ロゴの位置および商品容量などの文字情報も基本的に同じため、全体の類似性はかなり高い。一方、原告の赤い缶の烏蘇ビールの包装は長期にわたって使用を続けており、すでに市場の影響力と知名度を持っている。各被告は同業の競争者として知るべき状況の上で侵害包装を使用して、客観的に関連公衆が混乱、あるいは誤認を招きやすく、不当な競争に該当する。
 
 また、被告のビール会社は2020年8月に設立され、原告の会社の商号「烏蘇」はその時すでに知名度と影響力があり、同業者として、被告人が原告の商号「烏蘇」と類似性の高い「鳥蘇」を社名にしていたことは、経営者の生産・経営活動における誠実信用の基本原則に反するものであり、不正競争に該当する。
 
 上記のため、(2023)蘇民終986号判決書では、鳥蘇ビール(南京)有限会社、山東麦迪ビール有限会社などの一連の会社に対し、当判決の発効日から10日以内に、新疆烏蘇ビール有限会社に経済損失と合理的な権利擁護費用合計208万元を賠償すると判決された。


出典:知産宝(https://mp.weixin.qq.com/s/cQQiBq-QaACvd1GWV6Z6jw

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