世界経済を取り巻く環境が大きく変化しています。
まず、経済の中心が、欧米から中国、アジア、その他の新興国に重点が移りつつあること、次に、日本の強みであった「ものづくり」が、まさにこれらの新興国の企業に奪われつつあることです。
多くの産業において、日本国内の市場の成長が頭打ちになりつつある中、日本経済にとって、今後、これらの新興国でビジネスを拡大していくことが重要になりますが、まさにその強みが奪われつつあることを踏まえると、今後は、従来の「ものづくり」に加えて、日本の緻密な国民性に基づく、「ものづくり」の歴史によって、積み上げてきたブランド、技術、知恵といった「知的財産」を最大限に活用して、ビジネスを拡大していくことが非常に重要だと思います。
ところが、成長に貪欲な、中国、アジア、その他の新興国の企業は、この日本の最後の強みすら、容赦無く、奪ってこようとしています。中国を中心に、想像を超えるレベルで、多くの日本企業のブランドを盗用した模倣品・海賊版商品が流通し、また、重要な技術が奪われており、知的財産権の侵害が新興国を中心に世界を席捲しています。日本企業は、自社の知的財産をこうした侵害からしっかりと守り、これらの国で、力強く、かつしなやかにこれを活用して、ビジネスを拡大していかないと、本当に世界経済の中で取り残されてしまうおそれがあります。
私は、弁護士として、当時、経済産業省に新しく設置された模倣品対策・通商室に初代の模倣対策専門官として出向し、中国、アジア、その他の新興国の現場で、日本の知的財産が大きく侵害されている現場を目の当たりにして、言いようのない危機感を感じ、この思いに突き動かされて、知的財産の奪い合いの最前線であるこれらの国に拠点を置きつつ、日本の知的財産を守り、ビジネスを拡大していくために、IP FORWARDグループを設立しました。IP FORWARDグループは、法律だけでは解決できない新興国の実態を踏まえて、国籍、職種を超えた専門人員で構成される、コンサルティング会社、弁護士事務所を中核としたグループ企業の形式を取り、中国、アジア、その他の新興国を中心に、貴社の知的財産を全力で守り、これを活用して、ビジネスを拡大してくことをサポートさせていただきます。
こうした我々の取り組みが、今後、既に多くの知的財産を持つ先進国とこれからこれを増やしていく新興国とが、世界経済の中で、ともに調和の取れた発展を実現していくことに少しでもつながっていければと思っております。
今後とも一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
IP FORWARDグループ 総代表・CEO
分部 悠介
2011年11月
© IP FORWARD ALL rights Reserved.