中国専利法改正(2021年6月1日施行)
2020年10月に専利法の第四回目の改正案が可決し、今年の6月1日に正式に施行されました。今回の改正法のポイントは主に以下3点になると思われますので簡単に紹介します。
権利行使関連
①民事訴訟における損害賠償請求関連(→71条、72条)
・法定賠償金の下限、上限をそれぞれ、1万元→3万元、100万元→500万元に引き上げ。
・懲罰的賠償:故意侵害で情状が深刻な場合に、賠償額を1~5倍に倍増。
・権利者が立証を尽くした場合、裁判所は帳簿等の提出を命じることが可能。
・財産保全を明文化
②行政法執行制度の強化(→68~70条)
・専利権侵害に基づく行政法執行において、権利者の請求に応じて、当局が現場調査等を行うことができる。当事者はこれに協力しなければならず、拒否、妨害することができない。
・行政法執行の管轄について、全国的に重大な影響を有する事件は、権利者/利害関係人の請求により、国務院専利行政部門(国家知識産権局)で担当。区域をまたがる事件については、地方人民政府は、上級の地方政府の専利業務管理部門に処理を請求できる。
意匠権制度の拡充
(→2条、42条、29条)
・部分意匠制度の導入
・意匠権の存続期間を、出願から15年に延長(現行法では出願から10年)
・意匠権についても、国内優先権制度を導入
開放許諾制度
(→50~52条)
・ライセンスの意思があり、ライセンス料の支払い方式、基準を明確にした場合、国務院専利行政部門が公告し、開放許諾を実施。開放許諾期間中は、特許料を減免。
なお、条文和訳や現行法との対応については、下記ジェトロから公表されているものが見やすいかと思いますので、適宜、ご参照ください。
https://www5.jetro.go.jp/newsletter/beijing/2019/senri-taisho-JP.pdf
※本判決のより詳細な情報は、弊所のニュースレター2020年10月号でご紹介しております。ご希望の方は「お問い合わせ」よりご連絡ください。
著者情報
IP FORWARD法律特許事務所
日本国弁護士