中国で著作権登録する意義
ここ数年、中国における海賊版対策やコンテンツビジネス展開の観点から、中国での著作権登録がよく話題になっていて、これを実際に検討されている企業様も多数いますが、一方で、そもそも、なぜ登録する必要があるか、完全にご理解していない方も多いと思いますので、今回は、これをわかりやすく整理して見ました。
中国における著作権の取扱い
中国でも著作権は無方式主義がとられており、ベルヌ条約にも加盟しているため、著作物創作により、その著作権は自然に発生します。
日本で創作した著作権についても、中国で主張可能であるのが原則であり、中国で著作権登録することによって、その権利が発生する訳ではない。
中国において著作権登録するメリット
上記のとおり、登録は必須ではないが、一方で、実務上、色々の理由で、やはり積極的に著作権登録を行った方が良いとされるメリットも数多くあります。コンテンツ業界・事業は特にお薦めします。
①海賊版対策の際、著作権侵害を根拠に権利行使(行政摘発等)を行う場合、管轄当局からは、ほぼ必ず、著作権登録書の提出を求めてくる。
②同じく、海賊版対策の際、著作権侵害を根拠に権利行使(民事訴訟等)を行う場合、著作権登録書を証拠として出すことにより、その著作権を保有している有力な立証手段となる。
③中国では商標の冒認出願が多いのだが、その冒認商標対策(異議申立、無効審判等)を行う場合、著作権登録書は、先行権利の証明として活用できる可能性がある。
④コンテンツビジネスの場面において、中国側のライセンシー、事業パートナー等から、関連する著作権がちゃんと存在している、ライセンサーが保有している証明を求めてくることも多く、その際、著作権登録書は、その証明として使える可能性がある。
⑤無関係な第三者による著作権の冒認登録の被害例も存在し、前もって、中国で著作権登録しておくことで、このリスクを防ぐことが可能である。
以上のことにより、中国で著作権関連のビジネスを展開する際は、やはり、可能な限り、著作権登録することがお薦めされます。