【中国の商標法】三年不使用取消審判における証拠認定(二)
中国における「商標法」第49条第2項は、「登録商標がその査定に使用された商品の一般名称となったり、正当な理由がなく3年連続で使用されていない場合、いかなる企業または個人も商標局に当該登録商標の取消を申請することができる」と規定している。
前回に基づき、本文は三年不使用取消審判のさまざまな場面における異なる証拠状況について分析・検討する。
二.「登録指定商品と類似する商品における使用は商標法の意義上の使用に該当するか」
Q:「商標審査審理基準」では、「商標登録者が登録された商品に登録商標を使用した場合、その商品と類似した商品における登録も維持できる」と規定している。これにより、登録商標の指定商品における使用証拠を提供する限り、当該商品と類似する商品における登録も維持できることがわかる。逆に、登録指定商品に使用されず、その商品と類似した商品に使用されている場合、登録指定商品における使用とみなされるだろうか。
A: 例を挙げると、第11249614号「沐雪MUXUE」商標三年不使用取消再審案において、係争商標の取消対象となる商品のうち、「プロポリス、虫草鶏精」がその2つの項目である。それに対し、出願人より提供された使用証拠は販売契約書及び領収書である。この一部の契約証拠によると、係争商標の本当の使用商品は「キヌア、ハチミツ、クコ、カモミール」であり、その中で、「ハチミツ」という商品は、『類似商品サービス区分表』の規範商品に該当し、さらにこの商品は係争商標の登録使用商品「プロポリス、虫草鶏精」商品とは類似商品に該当している。
しかし、官庁の意見によると、商標登録者は登録使用商品「プロポリス、虫草鶏精」に登録商標を使用する必要があり、商標登録者は登録使用商品以外の類似商品「ハチミツ」にその登録商標を使用する行為は、その登録商標の指定商品「プロポリス、虫草鶏精」において使用されたとみなされない。最終的には、係争商標の「プロポリス、虫草鶏精」商品における登録が取消された。
これにより、登録商標の登録商品の使用証拠を提供することによって、当該登録商品と類似している商品における登録を維持することができるが、登録商品における使用証拠を提供できなければ、それと類似する商品における使用証拠に該当しても、登録商品における使用とみなされず、当該商品における登録が取消されるリスクがある。
そのため、商標登録者は登録商標査定商品の範囲に従って規範的に使用しなければならず、査定商品と類似する商品での使用は査定商品での使用を維持することができない。実際の使用商品と査定商品に違いがある場合は、商標権の不安定性を防止するために、速やかに追加登録を行わなければならない。
弊所代理人コメント
上記からわかるように、商標登録者は登録商標と登録商品の範囲に従って規範的に使用することがベストである。登録商品の範囲を超える使用があるとき、指定商品を改めて再出願するか、もしくは最初の出願のときに、商品の指定範囲を多めに指定することが想定されている。
出典:「中華商標」2024年第8号 日付:2024年12月9日https://mp.weixin.qq.com/s/bLvBoX8XPWWbjSB0s-iS1g