コラム

ニース分類第12版の発効: メタバースとNFT仮想通貨の商標の保護


 2023年1月1日から、ニース協定加盟国は「商標登録用商品・サービス国際分類表」(ニース国際分類)第12-2023版を正式に使用することになった。


 ニース協定は、1957年に作成された商標の国際分類について定める国際条約である。本協定に基づいて定められる国際分類はニース分類と呼ばれる。商標を登録する際には、それらがどのような商品や役務に対して用いられるのかを特定しなければならない。現在、ニース分類の商品・役務の区分は全部で45類あり、その内、商品に関する区分は1~34で、役務の区分が35~45である。


 毎年、ニース分類の専門家委員会は市場のニーズに合わせて分類を更新する。今年の第12版は特に注目されたのは、これまで明確に規定されていなかった仮想商品や非代替性トークン(NFT)が使われているメタバースにおいて、大きな革新が起きた。


 NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータのことである。また、「メタバース」とは、「Meta(高次元の)+ universe(銀河系) = Metaverse(高次の別世界)」という意味で用いられ、インターネット上に構築された3DCGの仮想空間のことである。メタバース上では、譲渡証書代わりにNFTを用いることで、バーチャル上の土地売買も可能である。


 そこで、第12版ニース分類はメタバースやNFTについて、以下などの新しい内容を導入した。


・9類:NFT認証済みダウンロード可能デジタルファイル、ブロックチェーン技術を使用して暗号資産取引を処理するダウンロード可能コンピュータソフトウェア、暗号資産の受信および消費のためのダウンロード可能暗号キー、仮想現実ブラウザ、仮想キーボード投影装置

・36類:暗号通貨に関する取引

・41類:オンライン・バーチャル・ツアーの提供

・42類:暗号資産マイニング、クラウドを介した仮想コンピュータシステムの提供


 上記を考慮すると、これから関係者は、仮想空間の市場に進入するため、また第三者による詐欺行為を回避するために、自身の仮想資産の商標保護には常に注意すべきである。ただし、中国ではまだ商品分類が更新されていないので、今後の規範商品改訂にも要注目である。


出典:摩知輪(https://mp.weixin.qq.com/s/1CjmUdd0q0afinCn4jhDHg)

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